月刊らぱん

毎月更新されるかはあやしい。

トリウムレンズ(Super Takumar 50mm f1.4)の放射性特性の話

どうもこんにちは。らぱんのカメラの部屋にようこそ。

こちらが本日のゲストのトリウムレンズである、Super Takumar 50mm f1.4さんです。

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(M42-Eマウントアダプター付き)

まあ、オールドレンズ温泉の脇でピチャピチャ水遊びしてたんですね。ええ。

 

さて、今回はこの子の放射性特性について話していきたいと思います。

トリウムレンズがどのぐらいの放射線を発していて、人体には影響があるのかどうかWeb上に記述がないので、今回は実際にやってみました。

 

ーーーーーーーーーーーー実験ーーーーーーーーーーーーー

【方法】

(1) β線源(ストロンチウム)を試料皿に乗せた。この状態で1分おきにカウントを10回とって平均I0を求めた。
(2) 吸収体として鉛板、アルミ板、ガラス板、銅版を線源に乗せた。(厚さはd cmとする)この状態で(1)と同様に10回カウントを取った(このカウントが吸収を受けた放射線の強さIである。)
(3) (1)、(2)の値を利用して式(2) で各金属板の吸収係数αを求めた。
(4) トリウムレンズをレンズ面を(1)の線源とG-M計測器の距離が同じになるようにセットし、この状態で1分おきにカウントを10回とって平均I0を求めた。

【結果】

β線源(ストロンチウム)…1739.9 cpm

β線源を鉛で遮蔽…-6.1 cpm

β線源を銅で遮蔽…-2.2 cpm

β線源をアルミニウム(2.0 mm)で遮蔽…140.4 cpm

β線源をガラス(1.4 mm)で遮蔽…584.9 cpm

トリウムレンズ…44.6 cpm

すべてバックグラウンドを引いた値。

ちなみにバックグラウンド…40.1 cpm

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さて、実験が終わって考察?のお時間です。

トリウムレンズは44.6 cpmとバックグラウンドと同じぐらいの値でした。

※cpm…1分間あたりのβ線のカウント数

※バックグラウンド…線源が周りにないときの放射線の強さ

 

cpmという単位には馴染みがないので、1年間のシーベルト数に換算してみると、

トリウムレンズは3.3 mSvであり、1年間の日本での自然被曝量である1.0 mSvの3倍である。しかし、レンズは1年中密着しているわけではないので、健康には全く影響がない程度であることが分かりました。

まあ、気にするなら保存中はアルミホイルでも巻いとけばなおよい?

(β線いきなり止めると電磁波出てきたりゴニョゴニョスルケドネ)

 

今回はこれでおしまいノシ